わたしは優しい手を差し出した。
「ゆいちゃん..まさか..その手に押しピンをしこんでませんよね〜?」
キノコ頭はわたしを疑った。押しピンを使ったのは自分のくせに。
どうしてわたしを疑うの?
「ぼくちゃんはまだ..あなたたちを信頼できません」
キノコは涙目のまま言った。
すると、祐子がキノコのほっぺを叩いた。
「キノコ、あんたバカ!」
「痛いじゃないですか!なんで叩くんですか〜!」
「皐月はあんたのために1億円を渡そうと言ったのよ?そんな天使みたいな皐月をあんたみたいなグズキノコと一緒にするんじゃないわよ!」
「うぅ..ボクちゃん....間違ってました〜」
キノコが泣きながら言った。
「ゆいちゃん..ボクちゃん....ありがとう..」
キノコ頭がわたしの優しい手を握りしめた。わたしたちが初めて分かり合えた瞬間だった。わたしたちは笑顔になった。
ジャンル:お笑い・ギャグ
作者:皐月ゆい
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