それにしても……
「君は秋葉原の手牌が分からなかったのか? 君ならトリプルロンも計算できたはずだろ?」
「無理です」
「なぜ?」
「彼は東1局から東3局までの間に、ガン牌の印を消していましたから。少しずつ分かる牌が少なくなっていったんです」
「ワイのアガった手牌のうち8枚は分からんはずや。せやから待ちも分からんかったっちゅうこっちゃ」
東1局で秋葉原は「なるほどなるほど」と言っていた。
あれはガンの付け方を理解した言葉。奴のことだから私たちに内緒にしていたのだろう。
奴は何でも隠す。私を麻雀探偵に選んだ理由も聞いていない。
「どうして私を麻雀探偵に選んだ?」
「ワイらが親友やからや」
「どういうことだ?」
記憶がない。むかしの記憶が曖昧なのだ。
ジャンル:ミステリー・推理
作者:mican
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